軍艦島へ
2013年 05月 01日
とクライアントさんから電話が来たとき、
内心私は思いっきり凍りついていた。何故って私、船がとっても苦手なのだ。
小さい時は九州に住んでいたのだが、
長い休みになると旅好きの両親が国内のあちこちに連れて行ってくれた。
マイカー移動なので船で飛距離を稼ぐことが多く、
九州~関東、九州~四国、九州~離島など長距離フェリーにのることが多かった。
そのうちの一回、台風の日に船に乗ることになり、
大時化の日、今にも沈むかと思うほど船が揺れたことがあったのだ。
真黒くうねる海。絶叫しつつ、船につかまる私。
以来、船が怖くてならない。
その後、大学進学とともに上京した私は国内のあちこちを旅するようになった。
18きっぷや周遊券を使い、ユースホステルをねぐらにしつつ何週間も放浪する。
いかにも学生らしい国内版バックパッカーだったのだが、
その頃には礼文島に行きたくて稚内のフェリー乗り場まで行ったのに、
怖くて船に乗れなかったということもあった。
まさか取材で船に乗ることになるとは…。
しかもネットを見ると軍艦島周辺は波が荒く船も揺れるとか書いてあるではないか。
しかし、仕事なので行かないわけにはいかん。
そんなこんなで取材日までは
大荒れの海で船におびえる夢に幾度となくうなされ、
怯えつつも意を決して長崎に向かったわけなのです。
(その2に続く)