会員誌連載のにっぽんの散歩道を歩く旅エッセイ、おかげさまで2年目に。
河津、久遠寺、飫肥城と続き
6月は嵯峨鳥居本を歩く旅です。
当然のことだけど、歩くのは旅の基本。
歩けば歩いただけ発見があるし、出会いもある。
だから私は旅先では時間が許すかぎり歩くことにしている。
観光地だけをピンポイントでめぐるのはもったいないから。
できるだけ小道へ。できるだけ路地裏へ。
あまり整備されていない、その土地の人々の生活が感じられる場所に行きたい。
先日長崎取材に行ったときも空き時間はやっぱり歩いてた。
長崎港での待ち時間では、おいしいちゃんぽん屋さんをみつけた。
お店の見た目はボロボロなのに、中華鍋で調理する、あの音と
いい匂いが漂ってきて。たまらず店にはいったら、やっぱりおいしかった。
次の日の空き時間は、思案橋から丸山花街をぬけて正覚寺下まで歩いた。
花街の見返り柳と、長崎検番の提灯、坂を吹き上るしめった風。
身代わり天満宮でおみくじを結んで。
そして本当のオランダ坂といわれる丸山オランダ坂まで。
その途中にあった小路。
こういう道、長崎らしいなと思う。
そう考えながら、気づいた。
そういえば、この道、歩いたことがあるような・・・。
いつだろう、と頭をひねってみる。
そういえば10数年前に正覚寺下の近くで宿泊したとき
宿からグラバー園のあたりまで地図を持たずに歩いたことがあって
その時ぶらぶら歩いて迷っていたのがこの辺りだったんだと思い当たる。
あぁ、10数年前にも同じような事やってたんだな、とちょっと可笑しくなった。
きっと、これからも、歩いてる。