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カピタン部屋で

日本ではじめてチョコレートを食べたのは
いったい誰なのか調べていたら
それはおそらく長崎の丸山花街の遊女ではないかと
食文化の文献に載っていた。

はじめて珈琲が飲まれたのも長崎。
鎖国中にも諸外国との貿易が行われていた場所だから
貴重な砂糖も豊富で珍しい菓子もうまれた。
日本人はここでいろんなはじめてに出合ったらしい。

出島にあるカピタン部屋では
カピタン(オランダ商館長)の部屋と
その晩餐の様子を再現してある。

カピタン部屋の横には
丸山の遊女たちが待機する小部屋も。

彼女たちがチョコレートに出合ったのはこんな場所。
カピタン部屋の晩餐。

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# by lyrica-sha | 2013-06-08 10:24 | 取材日誌

2年目に

会員誌連載のにっぽんの散歩道を歩く旅エッセイ、おかげさまで2年目に。
河津、久遠寺、飫肥城と続き
6月は嵯峨鳥居本を歩く旅です。

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当然のことだけど、歩くのは旅の基本。
歩けば歩いただけ発見があるし、出会いもある。
だから私は旅先では時間が許すかぎり歩くことにしている。
観光地だけをピンポイントでめぐるのはもったいないから。

できるだけ小道へ。できるだけ路地裏へ。
あまり整備されていない、その土地の人々の生活が感じられる場所に行きたい。

先日長崎取材に行ったときも空き時間はやっぱり歩いてた。
長崎港での待ち時間では、おいしいちゃんぽん屋さんをみつけた。
お店の見た目はボロボロなのに、中華鍋で調理する、あの音と
いい匂いが漂ってきて。たまらず店にはいったら、やっぱりおいしかった。

次の日の空き時間は、思案橋から丸山花街をぬけて正覚寺下まで歩いた。
花街の見返り柳と、長崎検番の提灯、坂を吹き上るしめった風。
身代わり天満宮でおみくじを結んで。
そして本当のオランダ坂といわれる丸山オランダ坂まで。

その途中にあった小路。
こういう道、長崎らしいなと思う。

そう考えながら、気づいた。
そういえば、この道、歩いたことがあるような・・・。

いつだろう、と頭をひねってみる。
そういえば10数年前に正覚寺下の近くで宿泊したとき
宿からグラバー園のあたりまで地図を持たずに歩いたことがあって
その時ぶらぶら歩いて迷っていたのがこの辺りだったんだと思い当たる。

あぁ、10数年前にも同じような事やってたんだな、とちょっと可笑しくなった。
きっと、これからも、歩いてる。

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# by lyrica-sha | 2013-06-07 13:23 | お仕事のお知らせ・掲載情報

花の名前

今日は新連載のエッセイ原稿を書くために
花の名前を色々と調べた

よく見るけれど名前を知らない花って多いから
あらためて調べてみると面白い 特に和名は

ラベンダーは薫衣草という字をあてるらしい
レインリリーは玉簾
弟切草ってちょっと怖いな
川土手でよく見かける花は姫女苑なのか

凌霄花とか馬酔木の漢字は小さい頃母に教えてもらった
一番好きな月下美人の花のことも

でも一番知りたいあの花の名前がわからない


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# by lyrica-sha | 2013-05-14 01:25 | 日記

遅い連休、鎌倉。

世間のGWが明けて、やっと連休。鎌倉へ。

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人ごみが苦手なので、旅は平日・オフシーズンと決めています。
紫陽花の明月院も、ほら、誰もいない。

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いいお店みつけた。北鎌倉石かわ珈琲。
急な階段をのぼれば、珈琲の香りと静かな時間。

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七里ヶ浜に泊まり、朝起きると砂浜からはくっきりと富士。

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東京に住んでいると日帰りで行ける場所だけれど、鎌倉は一泊したほうがいい。
寺の静けさ、海のきれいさ。それを味わうなら朝がいいから。


# by lyrica-sha | 2013-05-12 21:43 | 日記

軍艦島へ その2

詳しい軍艦島レポートは記事に書いたので、こちらでは写真を。

島に降り立つと・・・廃墟には緑が茂り、鳥のさえずりが響く。不思議な空間。

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ゴーストタウン。

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軍艦島が遠ざかる・・・昭和の暮らしの記憶だけを残して。

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海底炭坑の過酷な労働や、事故、強制労働など・・・
軍艦島には色々な歴史があるから
訪れるまでは怖いところのように思っていた。
でも実際に訪れると懐かしいようなノスタルジックな気持ちになるから不思議だ。

今回はやまさ海運さんの軍艦島上陸コースに参加しての取材だったのだが、
このツアーでは軍艦島での人々の生活や在りし日のことなど、説明を聞きながら島内を廻る。
目の前に広がるのはボロボロに崩れた廃墟だけなのに
昭和の暮らしの残像を垣間見たような錯覚をおぼえるのは、そのせいだろう。

軍艦島は今この瞬間もどんどん風化している。
今ある姿で見られるのももうそれほど長くないという。
だからこそ行ってみる価値のある場所だと思う。

「どんどん写真を撮ってください。きっと貴重な記録になるから」、と
ガイドさんが言っていたのが印象的だった。



# by lyrica-sha | 2013-05-12 21:17 | 取材日誌

日本の旅ライター・旅エッセイスト吉野りり花のブログです。日本の風景を詩的に綴る旅エッセイ、食の民俗学、食べるお守り、神々の食・神饌について書いてます。著書『日本まじない食図鑑~お守りを食べ、縁起を味わう』『ニッポン神様ごはん~全国の神饌を訪ねて』(青弓社)。執筆ご依頼やお問い合わせはサイトの問い合わせ欄よりご連絡ください。https://lyricayoshino.com


by 吉野りり花