一灯で聴く遠野昔話
2014年 06月 10日
電気のない時代、夜の闇はどんなものだったのか?
それを体感できるイベント「一灯で聴く遠野昔話」が
岩手県遠野市の遠野郷八幡宮で開催されると知り、
6月7日遠野に行ってきました。
神社の杜が夕闇に包まれたらイベントのはじまり。
灯りを消した参道を提灯を下げて歩きます。
本殿ではろうそくの灯りひとつで、語り部の語る遠野の昔話を聞きました。
人柱の話はおそろしく、笑い話はあたたかく。
ろうそくの瞬きが舞台装置にもなって、
意外にも包まれてるみたいな安心感さえありました。
私は大学の頃、日本文学を専攻していましたが
『今昔物語』の霊鬼の編が特に好きでした。
霊鬼には「鬼」の伝説が集められていますが、
昔話に登場するつののはえた鬼とは違い、
見えないものへの恐怖をすべて鬼と言う言葉で表現します。
人間が何を畏れていたのか。
それが端的にあらわれていて面白かった。
もちろん「闇」も鬼の棲む領域だった。
人々が怖れた「闇」もひとつの灯りと語りがあればあたたかくさえ感じられる。
昔話にはそういう役割もあったのかもしれない。
一夜限り、遠野物語の時代を体感することが出来、
貴重な時間になりました。
『一灯で聴く遠野昔話』
イベントは14日21日にも会場を変えて行われるそうです。
ご興味のある方はぜひどうぞ。
by lyrica-sha
| 2014-06-10 14:08
| 取材日誌