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古民家情報誌『ジャパトラ』に寄稿しました

古民家情報誌『ジャパトラ』5月号に寄稿しました。

『ジャパトラ』は古民家に関する情報誌。

古民家再生や普及に関わる一般社団法人住まい教育推進協会が発行し、

日本の伝統文化や古民家に関わるモノ・コト・ヒトを

いろいろな側面から紹介する雑誌です。


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私は年数回ほど「日本の伝統と旅、食」の切り口で書いています。

今回は「ワサビ農家の暮らしを知る 大沢の里古民家」。

東京・三鷹市にある明治時代よりワサビ栽培を営む農家の

母屋を復元した野外博物館「「大沢の里古民家」をとりあげました。

「大沢の里古民家」は自然豊かな三鷹市大沢にあり、

野外博物館として伝統文化を学ぶさまざまな催しも行われます。

今回は「ワサビの食体験」イベントを中心に、

ワサビ農家の暮らしや、古民家再生のこと、

自然と暮らしを未来に残す「エコミュージアム」のコンセプトなど紹介しています。


既刊号ではこれまでに

旧坂東家住宅見沼くらしっく館の「恵比寿講」

能登・柳田植物公園の合鹿庵での「あえのこと」

浅草・酉の市の縁起物と「切山椒」

など私のテーマである祭りや伝統行事で継承される食文化について寄稿してきました。


『ジャパトラ』は全国の古民家宿や古民家カフェなどにも置いてあります。

主な設置場所はこちら。

フリーペーパーですので、日本の伝統文化や古民家に興味のある方はぜひお気軽にお手に取ってみてください。


# by lyrica-sha | 2019-06-09 10:36 | お仕事のお知らせ・掲載情報

夜の竹林

宇都宮の続きです。
昨年から一般公開がはじまった「若竹の杜 若山農場」にも行ってきました。

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何代も続く有機栽培の竹農家さんが、丁寧に手入れをした竹林。
一般に竹林は熊笹が茂っていたり、中まで入れるところは少ないそうで、
ここのように綺麗に手入れされ、かつ広大な竹林は珍しいそうです。
竹林好きにはおすすめしたい。
週末の夜はライトアップされ、これまた幻想的な雰囲気に。
(期間限定で今は平日もやっています)
こちらも数々のロケ地となっている場所です。

私の故郷の鹿児島には竹林が多く、家の裏山の竹林を眺めてボーっとするのが好きでした。
という話をしたら、鹿児島は日本における竹のふるさとと教えてもらいました。
(ちなみに鹿児島ではこさん竹とか大名竹とかいろんな竹の筍を食べます。しかもおいしい!)

さて、竹林へ。

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日暮れ前に到着し、日が暮れるのを待ちました。
だんだん空が暗くなってゆく。その間際の空の色、綺麗。


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あたりが夕闇に包まれたら、ライトアップされた竹林へ。
今はJRのアフターディスティネーションキャンペーンとの連動企画で、期間限定の「竹あかりのトンネル」も。

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竹林の道。
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風の音、竹の葉ずれの音、足元でかさこそと何か動く音。
街中では普段耳にしない音が聴こえてきます。
普段、これだけの自然の中に闇の中、身を置くことはあまりないので、怖さすら感じるくらいです。

園内に違う種類の竹が色々あるので、竹の魅力にも触れられそう。
時季によっては筍狩りも体験でき、竹の器で抹茶を飲んだりもできるので、家族連れのお出かけにも。

私が訪れたのは夕方~夜でしたが、
朝の淡い光や、昼間に訪れたら
また違う色彩の、美しい竹林が見られると思います。

# by lyrica-sha | 2019-06-08 14:08 | 取材日誌

栃木は異界の宝庫だった

今年二回目の栃木取材に行ってきました。

一度目は下野市。天平の丘公園というところへ。
この辺りは遺跡の多い土地なのでしょうか。公園内にも遺跡が。

待ち時間に「天平の花まつり」に足を運んでみると、
「仏の世界ですか?」みたいな売店がありました。祭壇か?もはや俗世を忘れそう。

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二度目は宇都宮・大谷資料館へ。
大谷エリアは江戸時代から大谷石の採石で栄えた土地。
地下には広大な採石場跡が広がっているそうですが、
その一部を公開した資料館です。
入口の周辺にもドーンと大谷石の断崖が。途中に石を切り出した?跡があるのも面白い。

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大谷石採石の歴史も展示されます。長い間ツルハシで手彫りだったとか、重労働だったことが偲ばれます。

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見物なのは採石場跡のフォトジェニックな空間です。

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数々の映画・PVのロケ地になっているというのも納得の、
たまらず何か撮りたくなるような空間が待っています。

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館内にはどんな作品がここで撮影されたか、パネルで展示されるコーナーもあります。
邦画好きな私は、え、あの映画もここで!?と随所でエキサイトしてしまい、
つい仕事中であることを忘れてしまいそうに・・・。反省。

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祭祀跡?と思ってしまいますが、色々な撮影用のセットが撮影終了後にこうやって各所に残され、
さらに異界感を高めているようです。

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ここはEnyaさんが撮影した場所らしい。

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初期LUNA SEAのPVもここで撮られたというのも納得。
さらに、館長さんから「魍魎の匣の異なる2つのシーンが実は両方ここで撮影された」とか
「新居昭乃さんがコンサートやったこともある」など教えてもらい驚愕。
ふえええ、見たかった。
この空間で新居さんの透き通った唄、聞いてみたいなぁ。


館内は通年10℃前後と涼しいので、夏場のおでかけにいいです。
むしろ寒い位なので、上着を持っていくことをおすすめします。

夏場は壁や足元が露にぬれ、よりしっとりした雰囲気になるそうです。
館内はほとんど写真撮影可なので、写真を撮りに行くのも楽しいと思います。

若山農場の竹林については次回に。

# by lyrica-sha | 2019-06-08 13:30 | 取材日誌

駒場の休日 日本近代文学館&日本民藝館へ

平成が終わり、令和が始まりました。

歴史の大きな節目がやってくるんだと感じた時、
なぜかむくむくとわいてきたのは「大掃除したい」という気持ち。
感覚としては30年に一度の大晦日みたいな感じだったからでしょうか。
きれいに清めてから新しい時代を迎えなければと考えてしまう。
つくづく自分は日本人なんだなぁと思いながら、10連休の前半はひたすら掃除をしていました。
でもSNSを見ると、大掃除とか年越し蕎麦とか
大晦日感覚で過ごしていた人やはり多かったようですね。

大掃除を終え、晴々と10連休後半に突入したところで
次に聞こえてきたのは「美しいものを見て心静かに過ごしたい」という心の声。
というわけで、あちこち出かけてきました。

まず季節の美しい花を見たいな。この季節なら藤かな。
だけど都内で藤の名所と名高い亀戸天神には既に行ったことがあるので、
今回は調布市の国領神社へ行ってみることにしました。
境内はそれほど広くないものの大きな藤棚があり、
「千年藤」と呼ばれる樹齢400~500年の藤の花が満開で、一面に藤のいい香りが漂っています。
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ただ、ここは午前中に訪れた方がよいところなのかも。
午後だったためか、藤棚が陰に入っていて、藤色があまり冴えない。
次は午前中に行ってみよう。


今日は駒場の日本近代文学館へ。
ここは一般的にはあまりなじみのない場所かもしれませんが、
私のように大学で日本文学の、それも近代文学を専攻していた人にとってはなくてはならない場所です。
近代以降の日本文学に関する資料や作家の直筆原稿などを蔵する専門資料館なので、
日文生なら卒論や研究のために通った方も多いはず。
私も友達と連れ立って行った記憶があります。

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ただ、日本文学の研究者になるんだーと意気込んで大学に入ったのにも関わらず、
ずぶずぶずるずると道をそれ、気づいたら違う道を歩いている私にとっては
ここはある意味〝挫折の象徴”みたいな場所でもあり(哀)。
卒業してからはなんとなく足が向かず、結局ご無沙汰のままに時が過ぎていました。

でも、もういいや、令和になったんだから。
平成の悔恨はかなぐりすてて、もう一度かつて夢見た場所に足をふみいれてみようと、相当久しぶりに行ってきました。
ただいま近代文学館。こんなんだけど帰ってきたよ。

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ちょうど生誕110年「太宰治 創作の舞台裏」展が開催されてました。
会場に太宰の直筆原稿や下書き、メモなどが展示されて
推敲の過程や、検閲によって変わった表現などもわかるようになっています。
まるで日文演習の時間に戻ったような気分(懐)。

ちなみに私が一番好きな太宰の作品は『黄金風景』です。
とても短い作品ですが、太宰治自身であると思われる主人公には
傲慢さや人としての弱さがにじみ出ているのですが、
ラストではただまっすぐ生きる人の強さがそれらすべてをうちのめしてしまう。
爽やかな読後感を残す美しい掌編です。

これまでたくさんの太宰好きさんに出会いましたが
「一番好きなのは黄金風景」と言っても誰一人として賛同者には出会えませんでした。
が、しかし。
先日読んだ齊藤孝著『ネット断ち』で太宰の名作として『黄金風景』が勧められていて、私思わずにやけちゃいました。
ものの数分で読めるので、興味ある方は読んでみてください。

閑話休題。

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展示を見た後は日本近代文学館内にある「 BUNDAN COFFEE&BEER」へ。
だいぶ前にできたこのカフェはコンセプチャルなブックカフェとしてとても有名ですが、
特筆すべきは文豪にちなんだメニューの数々。
「芥川」「鴎外」「寺山」などと名づけられたコーヒーは作家ゆかりの味を再現。
ほかに文豪が愛した味や、作品に登場するメニューも再現されます。
以前ここのメニューについての本『食べ物語る BUNDANレシピ』を読んだことがあったので
一度行ってみたいと思っていました。

それに、今日はどうしても食べたい目当てのメニューがあったんです。
それは展示と連動して期間限定で登場した「グリンピイスのスウプ」。
太宰治の晩年の名作『斜陽』の冒頭、
没落貴族である主人公の母が「ひらりと一さじ」音もなくスウプを流し込むあのシーン。
あのスウプが再現されているんです。

限定10皿とのことですが、間に合ったので注文しました。
運ばれてきたときの高揚感といったら。
ほええ!!! たまらん。
元文学少女、完全にノックアウトされるの巻。

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こういう食体験を演出してくれるとは、なんと心憎いカフェなのでしょうか。
ほかにもいろんな料理が再現されているので文学好きな方は行って損はないですよ。
店内は書架の本を読みながら過ごせるので、
私は好きだった立原道造のヒヤシンスハウスについての本を読み。
学生時代に戻ったような幸せな時間を過ごすことができました。


日本近代文学館の後はすぐ近くにある日本民藝館にも。
柳宗悦によって開設され、民藝運動の本拠地であった民藝館では『藍染の絞り~片野元彦の仕事』展が開催されていました。

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取材で藍染の工房をたずねたことがあります。
たくさんの甕が並ぶ工房にたちこめる藍の香り。
あの草からどうしてあの色が出るのか不思議でならなかった。

たくさんの藍染が展示された館内は静かで力強い美しさに満ちていて、
何時間でもここにいたいと思った。
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10連休の一日、心にしみる駒場さんぽでした。

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↑旧前田侯爵邸も近くにあります。


# by lyrica-sha | 2019-05-03 22:21 | 日記

トカラ塾でライブトーク「まじない食と神々の食」

3月30日にトカラ塾の会合で
「まじない食と神々の食」と題してライブトークを行ってきました。

『日本まじない食図鑑』では各地に残る祈りを込めた食べ物をご紹介しましたが、
そのルーツのひとつと考えられる神々への供物「神饌」について
この一年取材した各地の例を見ていただきながらお話ししました。
食材だけでなく様々なものが献じられること。
運び方や調理法にもたくさんの意味が込められていることetc…。
あっという間の2時間でした。

「トカラ塾」は日本最後の秘境といわれる鹿児島県の離島「トカラ列島」に惹かれる方々が集まる会です。
12月に松鳥むうさん主催トークイベントでご一緒した郷土映像ラボラトリーの中川美帆さんがつないでくれました。
主宰するのは民俗研究家の稲垣尚友さん。
稲垣尚友さんはかつて実際にトカラ列島に暮らし、
自身の目で見た土地の習俗や方言などをガリ版刷りで記録し続けた方。
生きた民俗学を地でいく活動を続けておられ、かの宮本常一先生に親友といわれたそうです。
竹細工職人でもいらっしゃいます。

一度、会合にお邪魔した際に稲垣さんのお話を聞いたことがあります。
その時は「ただ記録したものを残す」ことのとてつもない意味について語っておられました。
記録することは後の時代に大きな意味を持つ。
だから私はただ記録をする、記録を残す。
稲垣さんの口から語られる言葉には説得力があり、
ただこの目で見たいという気持ちから各地の探訪を続けている私も
これでいいんだこのまま続けようと勇気づけられたりしたのでした。

そんな稲垣さんが主宰する会だからか
民俗学だけでなくさまざまなジャンルに詳しい方が集っており
さまざまな質問が飛んできて
ひとつのキーワードからどんどん話が膨らんでいく面白さがありました。

たとえば写真は千葉・館山の里芋祭りの様子です。
里芋を積み上げた里芋神輿を神社に奉納するのですが、
神饌準備の様子を説明すると、皆さんの質問は在来種のこと、農耕文化と狩猟文化のこと、
南方からのイモの伝播と海人族について・・・などどんどん広がっていき、
私の方がああそうかとヒントをもらうことも多々。

表題のテーマについては調べなければいけないこと、
考えなければいけないこと、山盛りあるなぁと思わされ、
嬉しい悲鳴が自分から聞こえてくるような、有意義なライブトークになりました。

トカラ塾の皆様ありがとうございました。
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# by lyrica-sha | 2019-04-30 20:45 | お仕事のお知らせ・掲載情報

日本の旅ライター・旅エッセイスト吉野りり花のブログです。「食の民俗学」と「神様の食」を取材しています。各地の「食べるお守り」を『まじない食』と名付け取材した著書『日本まじない食図鑑~お守りを食べ、縁起を味わう』青弓社より発売中。ブログは徒然更新、最新情報はtwitterでつぶやいてます。


by 吉野りり花
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