日本の旅ライター・旅エッセイスト吉野りり花のブログ。日本各地に伝わる「食べるお守り」を『まじない食』と名付け、取材しています。著書『日本まじない食図鑑~お守りを食べ、縁起を味わう』青弓社より発売中。


by lyrica-sha

カテゴリ:食べるお守り「まじない食」( 16 )

10月7日(土)、私が参加している母校の校友会「料飲稲門会」で

『食の力で福を呼ぶ~まじない食を食べる会』というイベントを開催しました。

全国各地のまじない食を紹介し、秋冬のまじない食を再現して、皆で味わう会です。


今回の目玉であるまじない食の再現料理は、

女性フードスタイリストさんおふたりのユニットである

FOOD unit GOCHISO」さんに協力いただいて、

秋冬のまじない食を再現し、お弁当にして、皆さんに食べていただきました。

見てください、本邦初、まじない食弁当です。

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クラフト色のお弁当容器なのに、こんなにも季節感を演出できるなんて、FOOD unit GOCHISOさんの感性にただただ感動!

繊細でとってもおいしいお料理でした。


お品書きは
・鯛の昆布締めの手まり寿司(安産祈願の鯛)
・ひじきの手まりおむすび(安産祈願の鯛)
・豆腐田楽(嘘を帳消しにするうそつき豆腐)
・大根の京風炊き合わせ(無病息災の大根焚き)
・かぼちゃの煮物(無病息災のかぼちゃ接待)
・白玉団子の小豆団子風(豊作祈願の小豆団子)
・青菜と菊のおひたし(長寿を願う重陽の節句の菊)


鯛は手まり寿司で。菊をちらして華やかに。

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お酒は重陽の節句にちなんだ菊酒を。

秋らしく福岡の「庭のうぐいす ひやおろし」に、菊花をちらしていただきます。


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ちなみにこれが重陽の節句の「菊の被綿」。

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菊に真綿をかぶせ、夜露をしみこませて、その綿で朝顔や体を拭き、長寿や健康を願うという風習です。

今ではほとんど行われていませんが、杉並の大宮八幡宮で再現されています。

今年行って撮ってきました。


どぶろく祭りにちなんで、どぶろくも。

岩手・遠野の「とおの どぶろくスタンダード」。

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すっきりエレガントなどぶろくで、作り手さんから米から手作りしていらっしゃるそう。

大好きな遠野のお酒なので、私もとっても嬉しく味わいました。

炭酸ソーダで割ってもおいしいということで、試してみました。

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小豆団子は白玉の小豆団子風で。

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書籍『日本まじない食図鑑~お守りを食べ、縁起を味わう』(青弓社刊)の本を出してから、

セミナーなどの講師としお話しさせていただく機会が増えたのですが、

写真や話で説明するだけでは、味が想像できずにもったいないなと思っていました。

やっぱり食べ物って食べてみないとピンとこないですよね。「百聞は一食に如かず」です。

もちろん、現地を訪れて土地の方々と交流し、行事に参加して、本物を味わうのが一番なのですが、

再現料理でも、味わって風習を身近に感じてもらい、知っていただくこともすごく大事かなーと。

今回は自宅で作っていただけるようレシピも少し用意しました。


そのほか、体験プログラムとして「味噌の食べくらべ」も行いました。

ここのところ味噌の原稿をいくつか書いていて、いろんな味噌を食べ比べていたため、

味噌は食の地域性を体感いただくにはもってこいの食材だなーと思いまして。

各地の米味噌、豆味噌、麦味噌を用意して食べ比べをしてもらいました。


その後、郷土食のテーマトークを。

ふるさとの食べ物、行事食について参加者でトークセッションしました。


こういったイベント企画ははじめてで至らない点も多かったかと思いますが、

伝統食の奥深さ、食文化の面白さ、感じていただけたなら嬉しいです。

食文化の体験イベントや、食文化ツーリズムには今後いろいろと挑戦してみたいなと思いました。

漆器や酒器にも凝ってみたい。

旅と食と文化を組み合わせ、日本を知る、体験型イベント。できたらいいな。


料理写真は参加いただいた
とっておき株式会社の弥富仁さんに撮っていただいたものです。

弥富さんありがとうございます!


素敵な料理を作ってくださった

FOOD unit GOCHISO 」さん、
事務局の齋藤さん、岩﨑さん、
そしてお越しいただいた皆様、ありがとうございました!!




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by lyrica-sha | 2017-10-08 17:17 | 食べるお守り「まじない食」
朝日新聞大阪本社版1月18日付夕刊の『勝手に関西遺産』のコーナー、
テーマは京都の「花供御あられ」。
京都では「おしゃかさんのはなくそやー」なんて言われたりするらしいですが、
仏様にちなんだ立派なまじない食です。
『日本まじない食図鑑』に花供御あられを紹介していたため、
私のコメントも掲載されました。
朝日新聞デジタルでも読めます。




1月27日付の『夕刊フジ』the情報源コーナーにも
まじない食がとりあげられました。
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昨日は節分ですが、よく知られた豆まきの豆や、恵方巻だけでなく
願いや祈りを込めた食べ物はもっともっといっぱいあります。
食を通じて人の願いが見えてくる「まじない食」はきっと皆さんのまわりにもいっぱいありますよー!

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by lyrica-sha | 2017-02-04 13:31 | 食べるお守り「まじない食」
本を出してからいつも「まじない食」とはなんですか?と聞かれます。
耳慣れない言葉ですよね。そうだろうと思います。
というのも「まじない食」とは私が作った言葉だからです。

伝統食とか縁起食といわれていた言葉と近いと思いますが、
私が出したかったニュアンスは「まじないをするように良いことありますように願いを込めて食べる食べ物」ということ。
自分たちの身近にある素敵な食べ物であるということ。
縁起食よりもさらに細分化された明確な願いを込め、地域に伝わる食であることでした。

私は小学校・中学校くらいから民間信仰や伝承に関することに興味があり
図書館で古い資料やらあさって読んでいました。
(当時それが民俗学というジャンルであることに気づかず、
間違えて日本文学科に進んでしまったのは本に書いた通りです)

すごく大好きなジャンルですが、堅苦しく、古めかしい印象が強い民俗学。
でも、人が生きてきた、考えてきたことを映し出す、とっても面白く示唆に富む分野です。
それを今に伝える風習の多くは、世の移り変わりの中で存在意義をなくし、消えそうになっている。

できれば今まで民俗に興味のなかったような人たちにも、
へー、こんなのあるんだ、面白い!と感じてもらえるような入り口になる言葉を作りたかった。
知ってもらうことで、これから先に残せるきっかけになるかもしれない。
だから、堅苦しい呼び名ではなく、「まじない食」と名付けました。

今回本を出して「まじない食という言葉には違和感がある」という反応もある一方で、
「まじない食って元々ある言葉だと思っていた」という風にすんなり受け入れてくれる人も多くいました。
ここから「まじない食」という言葉が育っていくのかな。

来年からまた、まじない食の取材第二弾をはじめようと思います。
来年もたくさんのまじない食に出会えますように。

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by lyrica-sha | 2016-12-29 23:13 | 食べるお守り「まじない食」
週明けは取材で八戸に行っていたので、青森から帰って書店に行ってみました。
いっぱい手をかけて世に送り出した我が子のような本。
頑張って荒波をたぷたぷ泳いでいます。ハラハラしながら見守る心境です。

紀伊国屋書店新宿本店さんでは日本文化史コーナーで平積みいただいています。
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ジュンク堂書店吉祥寺店では、食エッセイコーナーに面出しいただいています!!
よく利用する本屋さんで、自分もいつも見ている棚なので、感激です。

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こちらは、ブックファースト渋谷道玄坂前店。渋谷駅直結の本屋さんです。
民俗の棚に面陳いただいております。

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いろんな人に読んでもらえますように。

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by lyrica-sha | 2016-09-17 12:37 | 食べるお守り「まじない食」
やっと、出来上がりましたーー!!!
昨日見本を受け取り、手にとったら不覚にも泣けてきました…。
日本まじない食図鑑~お守りを食べ、縁起を味わう~』(青弓社刊)、9月12日より書店発売開始です。
都内大型書店では早ければ今週末から棚に並ぶそうです。
amazonなどネット書店でも購入できます。

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ふるさとに伝わる、祈りを込めた郷土食。
食べたらいいことがある、健康になる、厄よけになる。
そんな「食べるお守り」をテーマにした本です。

この企画を思いついたのは、もう7~8年前のことでした。
でもその後、子供が生まれ、時間に追われる生活がはじまり、時間も思うようにとれなくなり。
もうこのテーマは書けないのかなって諦めそうになっていました。
そんなとき東日本震災が起こり、あまりのことにおろおろしながら
「日本人は思うようにならない自然とどうやって向き合ってきたんだろう?」と考えたら
やっぱりどうしてもこのテーマを追ってみたくなりました。

通常、私の仕事では雑誌など発表先が決まってから取材をはじめます。
でも、どこで出すか決まってなくてもいい。
一人で取材をして、原稿をまとめておけばきっといつか本になる。
とにかく追ってみたい、自分の目でみたいんだ、と
見切り発車で取材をはじめたのが3年前。
祭りは大体年に一度、または数年に一度しか行われないため、
何年もかけ、カメラ片手に日本各地のお祭りや民俗行事をめぐり、
取材してまとめた原稿が、今回やっと形になりました。

取材を始めた頃の私は、東京の慌ただしい暮らしや、孤独な密室育児、
成果主義の毎日に疲弊していたように思います。
でも、ふるさとをたずねると、そこにはあったかい人たちがいて、
昔よく知っていた、ふるさとのごはんがあった。
四季の移ろいを感じて暮らす、ゆったりとした時間があった。
取材を通じて誰よりも癒されていたのは他ならぬ私だったと思います。

その頃、まだどこで出せるかも決まっていなかったのに、
「ふるさとに伝わる祈りを込めた郷土食を本にしたい」とお願いすると、
快く取材を受けてくれた方々がいました。
どこに掲載されるとか、そんなことは関係なく、
いろんなことを教えてくれた皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。
いつしかこの取材で聞いたお話、出会った人たちは自分の宝物になっていて、
ふっと「あー元気かな、また会いたいな」と思う人たちが全国に増えていました。


日本各地に残るゆたかな食文化、ふるさとの暮らし、美しい風景。
いろんな方に伝われば嬉しいです。

皆様、本屋さんで見かけたらぜひぜひ手に取って、読んでみてください!
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by lyrica-sha | 2016-09-08 15:08 | 食べるお守り「まじない食」
facebookでしかお知らせできていなかった!
ので遅ればせながらブログでも。

青弓社HP上での連載「にっぽん縁起食図鑑」の第9回が公開されました。

第9回 巨大なタラを担いで大漁祈願――掛魚まつり(秋田県にかほ市金浦)


今回のテーマはまさしくこの季節、冬の日本海が荒れる頃に行われる
秋田県にかほ市の掛魚(かけよ)まつり。
海上での無事を願う漁師さんの祭りです。

お祭りでふるまわれるたら汁(ざっぱ汁)は寒さに凍えた体にしみわたるおいしさ。
観光客の方でも参加でき、ふるまいのたら汁を食べることができます。
地元の鉄道会社が企画するツアーもありますので、興味のある方は訪れてみてください。

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それから、にかほ市を訪れたら、隣の由利本荘で食べてみてほしいのが「本荘ハムフライ」。
懐かしい昭和のおやつ感覚ですが、市内の居酒屋ではつまみとしても食べられます。

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そして原稿内に書いた清吉そばの朝ラーも忘れられない味。
肉鉢として出てくる親鳥がコリッコリでつまみでもいけそう。
ほかにもおいしいものがいっぱいの冬のにかほ市・由利本荘市、また訪れてみたいです。
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by lyrica-sha | 2016-02-25 11:29 | 食べるお守り「まじない食」
青弓社web連載の「にっぽん縁起食図鑑」
久々の更新です。

今回は茄子が夏の毒消しになるという埼玉県狭山市の「お諏訪様のなすとっかえ」。
都内からは通勤圏内である狭山にもこんな味わい深い夏祭りが残っています。
龍神・水神伝説と食べ物のあれこれも。これはもっと掘り下げなくちゃいけないな。
茄子の御神輿が街を練り歩くさまもユニークです。

お諏訪様のなすとっかえ





今日、この連載の取材でお世話になった方からお礼の手紙が届きました。
手紙には取材のときに皆さんと一緒に撮った記念写真が入っていて、
そこにはあたたかく迎えてくれた民俗資料館の皆さんの笑顔が。
ちょうど、年末から働き方に悩んでいた私。この写真を見たら泣けてきました。
この連載の取材で出会った人たちとの出会いは自分にとって宝物のようなもの。
自分が誇りを持てる仕事、自分が信じてやってきた仕事を大切にしよう。

ふるさとの暮らしや美しい風景を伝えたい。
そう思ってやってきたひとつひとつの仕事をこれからも大切にしようとあらためて思えた。
書きたい、伝えたい、と思うことを真摯に文章にしていけますように。
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by lyrica-sha | 2016-01-23 16:07 | 食べるお守り「まじない食」
ブログでのお知らせが遅くなってしまいましたが、
ついに私が大好きな遠野のことをまとめた原稿が公開されました。

青弓社WEB連載『にっぽん縁起食図鑑第七回~民話のふるさと 不思議の里 遠野の小正月』

柳田国男「遠野物語」の舞台である民話の里・遠野。
ここは昔からの伝承や、民俗行事が今もなおたくさん残っていて、本当に素敵なところです。
「日本のハロウィーン」とも言うべき「畑まき」や
「遠野物語」の世界を体感できる遠野郷八幡宮の「年越祭」、
遠野伝承園の小正月行事。
こういう伝承がしっかりと受け継がれていることは
本当にすごいことだと思う。
ろうそくの灯りひとつで昔話を聞くイベント「一灯で聴く遠野物語」も、
闇とはどんなものだったのか感じられてすごくおすすめです。

この原稿に書いているのはその一コマにしかすぎませんが、
遠野に広がる小宇宙を感じていただけたら嬉しいです。


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by lyrica-sha | 2015-09-24 17:14 | 食べるお守り「まじない食」
連載更新されました。

真夏なのに真冬の行事でごめんなさいですが、
京都の冬の風物詩「大根焚き」です。
これを食べると中風にならないとされます。
なにより、さむーい冬に境内いっぱいに広がる大根の甘い香りがなんともいえず食欲をそそります。
つゆをたっぷり吸い込んだ大根の煮物、おいしいんだな、これが。

青弓社web連載『にっぽん縁起食図鑑』
第6回 大根を食べると中風にならない――鳴滝了徳寺の大根焚き(京都府京都市右京区)

ちなみにこう毎日暑いと、夏の病除けのまじない食は?というのが気になりますよね。
「きゅうり封じ」の回で書いた以外にも
狭山・諏訪神社の「茄子とっかえ」の「厄除け茄子」や、
東京のあちこちで行われる「しょうが祭り」の「厄除けしょうが」などもあります。
(あきるの・八王子・芝など)。
大阪の難波神社の「氷室祭り」の「かちわり氷」も食べると夏負けしないと言われています。

これらも昨年取材しましたので後日更新の原稿で詳しくまとめます!


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by lyrica-sha | 2015-07-24 10:45 | 食べるお守り「まじない食」
連載「にっぽん縁起食図鑑」第5回が更新されました。

ついついついてしまった嘘、帳消しにしたいと思ったことはありませんか?
そんな都合のよい?願いをかなえてくれるまじない食が
鳥取県に伝わる「うそつき豆腐」。
一年についた嘘を帳消しにしてくれるというミラクルなまじない食です。

元々は「誓文払い」という商人の習俗がもとになっていて、
「うそつき豆腐」を食べれば
商売のためについた嘘をなかったことにしてくれると信じられてきました。

なかったことにしたかった嘘ってたぶん誰にでもありますよね。
私もあります。
言えなかったも嘘のうち、帳消しにできればよかったのに・・・・・・と。
ああ、胸が痛くなってきた。いやはや。

そんな物思いを抱える方、読んでみてください。

青弓社web連載『にっぽん縁起食図鑑』
第5回 豆腐を食べて1年分の嘘を帳消しに――「八日吹き」のうそつき豆腐(鳥取県鳥取市河原)


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by lyrica-sha | 2015-06-23 16:23 | 食べるお守り「まじない食」