日本の旅ライター・旅エッセイスト吉野りり花のブログ。日本各地に伝わる「食べるお守り」を『まじない食』と名付け、取材しています。著書『日本まじない食図鑑~お守りを食べ、縁起を味わう』青弓社より発売中。


by lyrica-sha

10月7日(土)、私が参加している母校の校友会「料飲稲門会」で

『食の力で福を呼ぶ~まじない食を食べる会』というイベントを開催しました。

全国各地のまじない食を紹介し、秋冬のまじない食を再現して、皆で味わう会です。


今回の目玉であるまじない食の再現料理は、

女性フードスタイリストさんおふたりのユニットである

FOOD unit GOCHISO」さんに協力いただいて、

秋冬のまじない食を再現し、お弁当にして、皆さんに食べていただきました。

見てください、本邦初、まじない食弁当です。

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クラフト色のお弁当容器なのに、こんなにも季節感を演出できるなんて、FOOD unit GOCHISOさんの感性にただただ感動!

繊細でとってもおいしいお料理でした。


お品書きは
・鯛の昆布締めの手まり寿司(安産祈願の鯛)
・ひじきの手まりおむすび(安産祈願の鯛)
・豆腐田楽(嘘を帳消しにするうそつき豆腐)
・大根の京風炊き合わせ(無病息災の大根焚き)
・かぼちゃの煮物(無病息災のかぼちゃ接待)
・白玉団子の小豆団子風(豊作祈願の小豆団子)
・青菜と菊のおひたし(長寿を願う重陽の節句の菊)


鯛は手まり寿司で。菊をちらして華やかに。

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お酒は重陽の節句にちなんだ菊酒を。

秋らしく福岡の「庭のうぐいす ひやおろし」に、菊花をちらしていただきます。


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ちなみにこれが重陽の節句の「菊の被綿」。

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菊に真綿をかぶせ、夜露をしみこませて、その綿で朝顔や体を拭き、長寿や健康を願うという風習です。

今ではほとんど行われていませんが、杉並の大宮八幡宮で再現されています。

今年行って撮ってきました。


どぶろく祭りにちなんで、どぶろくも。

岩手・遠野の「とおの どぶろくスタンダード」。

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すっきりエレガントなどぶろくで、作り手さんから米から手作りしていらっしゃるそう。

大好きな遠野のお酒なので、私もとっても嬉しく味わいました。

炭酸ソーダで割ってもおいしいということで、試してみました。

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小豆団子は白玉の小豆団子風で。

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書籍『日本まじない食図鑑~お守りを食べ、縁起を味わう』(青弓社刊)の本を出してから、

セミナーなどの講師としお話しさせていただく機会が増えたのですが、

写真や話で説明するだけでは、味が想像できずにもったいないなと思っていました。

やっぱり食べ物って食べてみないとピンとこないですよね。「百聞は一食に如かず」です。

もちろん、現地を訪れて土地の方々と交流し、行事に参加して、本物を味わうのが一番なのですが、

再現料理でも、味わって風習を身近に感じてもらい、知っていただくこともすごく大事かなーと。

今回は自宅で作っていただけるようレシピも少し用意しました。


そのほか、体験プログラムとして「味噌の食べくらべ」も行いました。

ここのところ味噌の原稿をいくつか書いていて、いろんな味噌を食べ比べていたため、

味噌は食の地域性を体感いただくにはもってこいの食材だなーと思いまして。

各地の米味噌、豆味噌、麦味噌を用意して食べ比べをしてもらいました。


その後、郷土食のテーマトークを。

ふるさとの食べ物、行事食について参加者でトークセッションしました。


こういったイベント企画ははじめてで至らない点も多かったかと思いますが、

伝統食の奥深さ、食文化の面白さ、感じていただけたなら嬉しいです。

食文化の体験イベントや、食文化ツーリズムには今後いろいろと挑戦してみたいなと思いました。

漆器や酒器にも凝ってみたい。

旅と食と文化を組み合わせ、日本を知る、体験型イベント。できたらいいな。


料理写真は参加いただいた
とっておき株式会社の弥富仁さんに撮っていただいたものです。

弥富さんありがとうございます!


素敵な料理を作ってくださった

FOOD unit GOCHISO 」さん、
事務局の齋藤さん、岩﨑さん、
そしてお越しいただいた皆様、ありがとうございました!!




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# by lyrica-sha | 2017-10-08 17:17 | 食べるお守り「まじない食」
久しぶりの更新ですが、たまには育児のことを書いてみます。
この半年間、いや一年間は音速のごとく過ぎ去っていきました。
昨年の9月に本が出て、今年の1月位までは取材対応したり、
セミナー講師などもさせてもらい、バタバタと半年間を過ごし…。

ようやく一段落したかなという2月、息子の小学校入学がせまってきました。
小学校の就学前検診、学童の申し込み、修学準備品の用意、入学説明会、学童の説明会など行事が続き、
さらに保育園の卒園式と謝恩会の準備が。
謝恩会とは卒園にあたり園児たちを祝い先生たちへの感謝を表すためのイベントで
保護者が出し物をしたりします。
私もせっせと恋ダンスと劇の練習。
保育園なので、保護者は皆仕事があるのですが、土日と夕方以降を使っての練習で
みんなよくやるなーってくらい頑張ってました。

この段階で私、過労で帯状疱疹になり、さらに逆流性食道炎にもなり胃カメラ飲む羽目になりましたが、
やるべきことはまだまだ続く。
なんせ、4月からはいわゆる「小1の壁」。
小学校に入ると下校時間は昼過ぎになり、学童の預かり時間も保育園より早く終わってしまい、
親の負担も増えるという理由で、
ワーママからおそれられる「小1の壁」の時期がやってくるのです。
そこから4ヶ月たち、一学期を終えた今、
率直な感想として「小1の壁はやっぱりそれなりに高かったなぁ」と感じてます。

私はフリーランスで仕事をしているので、フリーランスにとっての「小1の壁」とはどんなものだったのか、
感じたことをここに書いておきます。


①入学後の4月は平日の保護者参加行事が多い

入学したての4月は平日に保護者が学校に出向くことが多いです。
うちの場合、入学式、クラスの保護者会、学校公開、引き取り訓練、
学童保護者会、加えてアレルギー面談などなど7回ほどありました。
これが平日の午後など、授業が終わった時間帯に召集されます。
また、まだ一人で学校まで行くことに慣れていない子どもに
朝夕途中まで付き添ったりもしますし、帰り時間に大雨が降れば迎えの要請もあります。

4月の間はあまり仕事ができないだろうと思ったので、
私は仕事量を6割くらいに減らしてのぞみました。
お仕事でお世話になってる編集者さんたちに3月の早いうちに連絡し、
4月~5月はかくかくしかじかで仕事があまりできないという事情を話し、
仕事の量を減らしてもらいました。
これをやってなかったら、完全にはまってました。
私はフリーランスだから仕事を減らして対応することもできるけど、
お勤めだったら厳しかっただろうと思います。
平日7日も有休とったら、クビになってもおかしくないような…。

要点1、4月は仕事量を減らして臨むのがベター。
フリーランスならではの自由度が役に立つ。

②夕方以降はやることがいっぱい

フリーランスの場合、就労時間が決まっているわけではありません。
何か対応する必要が発生したら、夜でも深夜でも
土日でも対応するという方が多いのではないかと思います。
私も子どもが保育園の間、深夜であろうが、土日であろうが、
急な対応の必要があればすぐ対応していました。

ですが。
小学生になるとこれはなかなか厳しいです。

まず子どもの帰宅時間が早くなること。
さらに帰ってきてから宿題の○つけや翌日の準備に親の手がいること。
うちの場合、帰ってきてから、ドリルの○つけ、音読、体操のチェックがあります。
翌日までに準備するものも多く、
これまでに「明日までに虫かごと虫捕り網を持ってきてください」とか
「洗剤の容器を洗って持たせてください」とか連絡帳にかかれてきます。
当然夕方からこれを準備するわけです。
あと、急に朝顔の苗を持ち帰ってきて、あわてて土と鉢を買いに走ったりもしましたし、
一学期の間はお道具セットやハーモニカ、絵の具セットなど新しい学用品が加わるたびに
ひとつひとつに名前を書くというタスクもあります。
さらに学校からは「10時間寝かせるようにしてください」というリクエストも。
ちゃんとやるなら21時には寝かしつけていないと。
これをすべてちゃんとこなすためには子どもが帰宅してから寝るまでフルに使ってやっとです。
土日は土日で学校行事がけっこうあります。
5月には運動会もあるし、自由参加のものですが、農業体験など親子参加イベントもあり、子どもは行きたがります。
土日に「じゃ、おかあさん仕事だからー」ということもなかなか難しくなりました。

要点2、夕方以降と土日の仕事対応はかなり厳しくなるので、
仕事は平日日中におさまる量にするのがよい。 

③朝の見守り問題

小学校は保育園より登校時間が遅くなることが多いです。
うちの場合、保育園は一番早くて7:15から。
でも小学校は8:25から。
私も取材のときは朝5時台に出なくてはならないことも多く、夫も出社が早いので、
息子が家を出るまでの見守りがいないということになってしまいます。
近くにおじいちゃんおばあちゃんがいる方は問題ないかと思いますが、
そうでなければ朝の見守り人員を確保するか、鍵っ子になるかの選択になる。
鍵っ子ができるかどうかは子どもの性格にもよるかと思いますが、
うちはまだ難しそうだったので、
朝早い日はファミリーサポートさんに早朝シッターをお願いしています。

要点3、朝の見守り人員を確保する、または一人でお留守番と鍵の管理ができるようにしておく必要あり。

④長い休みは学童のお弁当作りがある。

保育園は保護者の仕事の都合に最大限あわせてくれるため、
お盆も保育園があいていたし、年末育成もありました。
が。
小学校は全員夏休み、冬休み、春休みがあります。
その間、学童はあるものの、朝の登所時間は遅くなります。
そして…長い休みの間は給食がなくお弁当持参です。
親は早起きしてお弁当作ることになります。
今も絶賛お弁当作り中。5:00起きです。
早朝出発の出張があるときなどは3:30くらいにおきないと厳しいな。。
夏休み中の出張はどうするか、今からの課題です。


⑤夏休みは自由研究やドリル、体験学習などサポートすることがいっぱい。

はじめての夏休みがやってきましたが、
夏休みの宿題も結構いっぱいあることに気づきました。
うちの場合、毎日やるものはドリル、朝顔観察、鍵盤ハーモニカの練習、毎日日記、読書記録、お手伝いシートなどです。
これを学童に行く前と、帰宅後に付き添いながらやる感じです。
さらに総仕上げとして絵日記一枚、自由研究を作成して提出します。
自由研究は子どもが興味があることに自由にとりくむ内容で、なかなか楽しそう。
でも、早いうちから取り組まないとはまりそうなので、
自由研究のレポート作成向けのイベントに2~3つ申込みました。
他にも自由研究用に旅行に行ったり何か見学をしたりするなら、
早めに準備しないと間に合わないなと感じたので、
夏休み入る前から少しずつ準備した感じです。

要点4・5、夏休みはお弁当作りもあり、宿題のサポートも必要。
学期中よりも親のサポートが増えるので、仕事量は要調整。


以上、駆け足ですが、乱文ご容赦を。

一学期を終えてみて、小1の壁はやっぱり大変ですが、
フリーランスという働き方だからこそ調整がしやすいという利点があると感じました。
これから小学生になるお子さんがいるフリーランスの方のお役に立てれば嬉しいです。

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# by lyrica-sha | 2017-07-29 12:49 | 日記
新刊『日本まじない食図鑑』の書評が新聞・雑誌などで紹介されています。
おかげさまで増刷されました。ありがとうございます。
まじない食やふるさとの魅力がいろんな方に伝わりますように。

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・『週刊金曜日』9月16日号
シン・ゴジラが表紙の号に『日本まじない食図鑑』の書評が掲載されました。
「まじない食を求めて全国津々浦々」


・『西日本新聞』9月25日付
福岡市奈多の早魚神事の写真とともに、ご紹介いただきました。
「食を通じて、人々が何を祈り何を守ってきたのかが見えてくる」


・『旅の手帖』11月号
「秋を歩く、むかし道」と「ご当地グルメ劇場」を特集する今月号で紹介されています。
旅の手帖は、もうだいぶ前になりますが、
駆け出しの頃にはじめて雑誌の仕事をさせてもらい、お世話になった雑誌でもあります。
その土地に足を運ばないと見られない風景や知ることができないことがいっぱいあると
教えてもらったのも「旅の手帖」の取材を通じてでした。

・『奈良新聞』10月9日付
「年中行事や人生の節目に食べられるローカル色あふれる食べ物の数々を紹介するユニークな1冊」


・『日刊ゲンダイ』11月2日付




・『北海道新聞』11月20日付
「旅ライターが日本各地の食にまつわる奇祭、珍祭を紹介」




・『河北新報』11月27日付
「震災を機に力を再認識」


・『ダ・ヴィンチ ニュース』12月11日付

・東京新聞 12月27日付 
「日本人の畏怖や願望が見えてくる」


・『月刊清流』2月号(1月1日発売)
「著者に聞く」コーナーにインタビューが掲載されます。
・2017年1月18日付『朝日新聞』大阪本社版 夕刊「勝手に関西遺産」
花供曽あられの回にコメントが掲載されました。

・『クロワッサン』2/25特大号(マガジンハウス)
「単なる習わしの羅列になっていないのは、土地の風俗を体験する著者の視線が驚きと感動に満ちているから」
ありがとうございます!

・『訪問看護と介護』3月号(医学書院)

「地域の様子、取り巻く人々の息遣いを活写した同書は、地域がもつ力にも気づかせる」




・公益財団法人日本図書館振興財団の新刊選書にも選ばれております。
下記リンクのキーワード検索にて書名で検索すると確認できます。
https://www.toshokan.or.jp/sensho/

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# by lyrica-sha | 2017-02-28 22:45 | お仕事のお知らせ・掲載情報
朝日新聞大阪本社版1月18日付夕刊の『勝手に関西遺産』のコーナー、
テーマは京都の「花供御あられ」。
京都では「おしゃかさんのはなくそやー」なんて言われたりするらしいですが、
仏様にちなんだ立派なまじない食です。
『日本まじない食図鑑』に花供御あられを紹介していたため、
私のコメントも掲載されました。
朝日新聞デジタルでも読めます。




1月27日付の『夕刊フジ』the情報源コーナーにも
まじない食がとりあげられました。
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昨日は節分ですが、よく知られた豆まきの豆や、恵方巻だけでなく
願いや祈りを込めた食べ物はもっともっといっぱいあります。
食を通じて人の願いが見えてくる「まじない食」はきっと皆さんのまわりにもいっぱいありますよー!

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# by lyrica-sha | 2017-02-04 13:31 | 食べるお守り「まじない食」
本を出してからいつも「まじない食」とはなんですか?と聞かれます。
耳慣れない言葉ですよね。そうだろうと思います。
というのも「まじない食」とは私が作った言葉だからです。

伝統食とか縁起食といわれていた言葉と近いと思いますが、
私が出したかったニュアンスは「まじないをするように良いことありますように願いを込めて食べる食べ物」ということ。
自分たちの身近にある素敵な食べ物であるということ。
縁起食よりもさらに細分化された明確な願いを込め、地域に伝わる食であることでした。

私は小学校・中学校くらいから民間信仰や伝承に関することに興味があり
図書館で古い資料やらあさって読んでいました。
(当時それが民俗学というジャンルであることに気づかず、
間違えて日本文学科に進んでしまったのは本に書いた通りです)

すごく大好きなジャンルですが、堅苦しく、古めかしい印象が強い民俗学。
でも、人が生きてきた、考えてきたことを映し出す、とっても面白く示唆に富む分野です。
それを今に伝える風習の多くは、世の移り変わりの中で存在意義をなくし、消えそうになっている。

できれば今まで民俗に興味のなかったような人たちにも、
へー、こんなのあるんだ、面白い!と感じてもらえるような入り口になる言葉を作りたかった。
知ってもらうことで、これから先に残せるきっかけになるかもしれない。
だから、堅苦しい呼び名ではなく、「まじない食」と名付けました。

今回本を出して「まじない食という言葉には違和感がある」という反応もある一方で、
「まじない食って元々ある言葉だと思っていた」という風にすんなり受け入れてくれる人も多くいました。
ここから「まじない食」という言葉が育っていくのかな。

来年からまた、まじない食の取材第二弾をはじめようと思います。
来年もたくさんのまじない食に出会えますように。

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# by lyrica-sha | 2016-12-29 23:13 | 食べるお守り「まじない食」